1890-1930年代にフィンランドでつくられていた、古いプレスガラスです。ミニマルな装飾が施された多角形のグラスは、ヌータヤルヴィ、イッタラ、カルフラ、リーヒマキなどフィンランド各地のガラス工場で製造されていました。
リーヒマキのガラス美術館には同様のグラスが収蔵されており、19世紀終わり頃のアイテムとして展示されています。1922年のイッタラ=カルフラの製品カタログ(写真12)、1915年のリーヒマキの製品カタログ(写真13)にも掲載されていることから、1920-30年代までは製造が続いていたと推測できます。
フィンランドのプレスガラスの歴史は長く、1850年頃にはヌータヤルヴィで金型によるガラスの製造がはじまっていました。型にあらかじめ装飾を施しておくことで、ひとつひとつに後加工をする必要はなくなり、日用品としてのガラスの生産性と価格は大きく改善されました。結果的に、それらはガラス製品の一般家庭への普及へとつながっていきます。
今となっては、このようなシンプルな装飾のグラスは非常にありふれたデザインにも見えますが、装飾と量産性をひとつの金型のなかで両立させるという考え方は、後のガラスデザインにも受け継がれていきました。1930年代には、アイノ・アアルトがプレスガラスの特性を生かしたAino Aaltoシリーズを発表するなど、量産性と美しさを共存させたガラス製品はフィンランドを代表するデザインのひとつへと発展していきます。
100年以上前の名もなき日用品でありながら、後のフィンランド・デザインへと続く歴史の一端を感じることのできるグラスです。
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メーカー:
シリーズ:
デザイナー:
年代:1890-1930年代
サイズ:φ7.0×H9.6cm
コンディション:
底のふちにいくつか小さなけずれ(チップ)が、全体的に経年劣化による細かなかすれがございます。内部に曇りがございます。その他、目立つキズやカケはありません。
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お取り扱いするヴィンテージ品は、北欧の家庭で使用されていたものが多く、写真に写りきらない小さなキズや使用感が残る場合がございます。
また、当時の手仕事ならではの個体差や、製造時に発生した気泡、色味・厚みの違いが見られる場合があることをご了承ください。