1965年にヌータヤルヴィで製造された、名作シリーズのマリボウル(のちに製造はイッタラへ引き継がれる)。こちらは、1960年代にヌータヤルヴィガラス工場の所長に向けてつくられた別注品で、希少な個体。高さ15cmの白いマリボウルは1985年に1年のみ生産されていましたが、こちらの高さ12cmの白い個体は正式には製造されていません。現行品のマリボウルと同様のデザイン、同じ数の金型の継ぎ目(3本の線)がありますが、脚はやや細めとなっています。
マリメッコの創業者アルミ・ラティアがきっかけとなり、マリボウルは1965年に正式に製造が始まりましたが、実際には、そこに至るまでの長い歴史があるようです。マリボウルのアイデンティティともいえる聖杯のようなガラスボウルは、19世紀のヨーロッパ諸国ですでにつくられていました。その後、20世紀になりフィンランドのカルフラ=イッタラやリーヒマキ、ヌータヤルヴィが似た(あるいは模倣した)フォルムの器をプレスガラスで製造することとなります。
当時は、他国・他社のフォルムを模倣したり、金型を買い取ることも当然のようにあったので、マリボウルに似たプレスガラスはフィンランド国内外に数多存在しています。
1900年初頭につくられた以下のボウルはその一例です。
Nuutajarvi|glass bowl φ12.4cm|nötsjö stamp
https://lumikka.shop/items/669e6f4db7ac3306712cce18
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メーカー:Nuutajarvi / Marimekko
シリーズ:Mariskooli / Maribowl
デザイナー:Vuokko Nurmesniemi
年代:1960年代
サイズ:φ10.3×H12.4cm
コンディション:
Nuutajarvi / Marimekkoの製造を示す刻印やステッカーは残されていません。所々にごく細かな汚れがございますが、目立つキズやカケもなく、とてもきれいな状態です。
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マリボウルの参考情報として、1980年から2004年につくられた個体にはシルクのシールが、2004年以降の個体にはMarimekkoと刻印が底面に残されています。
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お取り扱いするヴィンテージ品は、北欧の家庭で使用されていたものが多く、写真に写りきらない小さなキズや使用感が残る場合がございます。
また、当時の手仕事ならではの個体差や、製造時に発生した気泡、色味・厚みの違いが見られる場合があることをご了承ください。